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子ども、親、先生たちのHAPPYのために♪

「1年生は宇宙人」という言葉から教師が学ぶべきこと

もくじ

 

「1年生は宇宙人」
これは、小学校の教師をしていると、時々耳にする言葉です。ひとさまの子どもを宇宙人呼ばわりするなんて、甚だ失礼な話ですが^^;

この言葉を発する教師は、比較的に高学年の受け持つことが多いような気がします。

理由は5・6年生に通用していた指示や説明が1年生には通じないためです。人間の言葉が分からない存在、つまり宇宙人となるわけです。

 

この記事はモンテッソーリ教育の視点から、小学校1年生の発達段階について考えていきます。

1 幼児期と学童期の知性の違い

幼児期は「吸収精神」という知性で、身の回りの環境からそのまま吸収するように学びます。まだ抽象的な思考ができないので、大人の説明よりも実物や実際の体験が大切になります。

一方、学童期は抽象思考や論理的思考が芽生えるため、教師の説明や指示、教科書から学ぶことができます。

2 言葉は抽象的なもの

人間の使う言葉は、実は非常に抽象的なものです。例えば「赤いりんご」という言葉。「赤い」という言葉から赤い色をイメージし、「りんご」という言葉から丸い実を想像することで、実際に見なくても、「赤いりんご」をイメージできます。

教師が1年生になったばかりの子どもたちに「授業が始まる前に、席につきましょう。」と指示を出したとしましょう。大人にとったら、至って普通の言葉に聞こえます。

しかし、幼児期が終わったかどうかの子どもにとってはハードルの高い言葉です。

「授業が始まる前」とは、時計もまだ理解できない子どもにとっては非常にイメージができない言葉。前と言ってもどのくらい前なのか?

「席につく」も難しいです。「席?つく?席につくって?」となります。
もちろん個人差があるので、先生の指示をすんなり理解できる子もいます。指示を理解できた子はすぐに行動し、その子を真似ることのできる子は難を逃れます。しかし、真似ができないと教師の注意が待っています^^;

3 1年生は幼児期と学童期のグラデーション

クラスに30人の子どもがいれば、30通りの発達があります。発達が早い子もいれば、ゆっくりな子もいます。

4月生まれの子と3月生まれの子では約1年間の差があります。そのため、1年生のクラスわけでは、各クラスの早生まれの子の数が均等になるように編成するくらいです。

クラスの中には学童期に入り、抽象的な思考や論理的思考ができる子もいれば、まだ吸収精神が残っている子もいます。

こんなにも個人差がある子どもたち。日本の学校のスタイルだど一人一人の個性に合わせた教育を実施するのが難しいのが現実です。

 

4 まとめ

1年生のたんにんの教師は子どもの発達を理解して、その子たちに適した言葉を使う必要があります。ただ難しいのは、クラスには様々な発達段階の子どもたちがいることです。

「子どもに指示が伝わらないよぉ〜」と嘆くのではなく、トライ&エラーで自分の言葉を磨いていく必要がります。子どもたちも成長していくので、少しずつ歩みより心が通う時が来ます。(私の経験だと夏前くらいかな)


話をよく聞き、姿勢を正させ、ビシッとしたクラスづくりが求められる日本の教師。(同僚から上司からのプレッシャー。それができないとダメ教師扱い^^;)そのために、子どもたちを無理やり矯正しなければなりません。

当然そこからはみ出てしまう子たちもいます。発達がゆっくりなだけで適応できずに問題児扱いされてしまう子もいます。

そんな不幸を起こさないためにも、教師は子どもの発達を知り、あたたかく子ども見守る必要があります。同時に担任教師をあたたく見守る環境も必要です。

子どもの発達を知ることは、子どもの、そして自分のHAPPYにもつながりるのかもしれません♪