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モンテッソーリ教育で協調性や社会性は身につくの?(幼児教育)

モンテッソーリ教育に対する疑問や批判に「協調性や社会性が身につかないのではないか?」と言うものがあります。

モンテッソーリ教育では一斉でなく、子どもたち個々で選んだ活動を自由に行います。確かに「協調性や社会性」とは無縁な感じがしますよね。

 

この記事では、モンテッソーリ教育における協調性や社会性の発達の考え方やそれを身につけるための方法を、紹介していきます。

1 そもそも、その協調性や社会性っている?

冒頭の疑問や批判はマリア・モンテッソーリが教育をはじめたころ、つまり1世紀も前からあったそうです。

それに対するモンテッソーリの解答は「そもそも子どもの個性を殺す、その協調性や社会性はいる?」というものでした。

今の日本の教育現場では「個性の尊重」と言われていますが、実際は、まずクラスや学校があり、個は後回しです。

個より全体が尊重されています。小学校教師14年の経験から(^_^;)

この教育の結果、全体についていけない子たちは取り残され、支援級に移籍したり、不登校になったりしています。

※今年は過去最高の24万人の子どもが不登校になっています。

また、日本は世界的に見ても若者の自殺率が高く、自己肯定感もトップレベルに低いデータもあります。↓

www8.cao.go.jp

「このような学校に適応するための協調性や社会性が本当に必要なのでしょうか?」

と、逆にモンテッソーリ教師は世間に問いかけます。

2 モンテッソーリ教育が目指す協調性と社会性とは?

では、モンテッソーリ教育では、「協調性や社会性」をどのように捉えているのでしょうか。

モンテッソーリ教育では、まず個の完成を優先させます。

子ども一人一人が尊重され、満足し、能力を高めることで自己完成します。

そのように精神的に成熟し、満たされた子は、自然に(強制でなく)他者や身の回りの集団に貢献していくという考えです。

大人の我々に置き換えて考えてみれば分かりやすいかもしれません。

心や生活に余裕がない人が社会貢献するでしょうか?

心に余裕があれば、他者を手伝ったり、身の回りの環境をよくしようと考え、行動できるのだと思います。

モンテッソーリ教育は、まずは自分を大切にする教育と言えます。その上で、他者やまわりへの配慮をしていきます。

               お・ま・け 

モンテッソーリ流「はさみの渡し方」

普通、はさみを相手に渡す時、刃を持って持ち手を相手に向けて渡しますよね。でもモンテッソーリ流は違います。刃先を下に向けて、両手で持って相手に「どうぞ」と渡します。これは、相手も自分も傷つけないという考えが根底にあります。刃先がこちらを向いていれば、自分が傷ついてしまうかもしれません。はさみの渡し方にも「自分を大切に」というマインドが流れています。

3 協調性や社会性を身につけるために

では、どのように個を完成させていくのでしょうか。

モンテッソーリの教育環境では様々な工夫がありますが、ここでは割愛して、家庭や一般的な教育環境でも取り入れられることを4つ紹介したいと思います。

◉落ち着けて安心できる環境づくり

まずは、心理的に安心できる環境が第一です。

安心できる環境があってはじめて、子どもは主体的に行動ができるようになります。

 

◉何かに熱中する(深い集中を経験する)

これがモンテッソーリ教育の肝になります。子どもは集中することにより、自分の能力を高め、自分を完成させていきます。

大人もそうですが、音楽を聴いたり、読書をしたり、趣味をしたりと何かに没頭し、それを終えた後は気持ちが落ち着くことはありませんか?

子どもも集中を通して、精神を安定させることができます。

『子どもの集中は手を使うことからはじまる』モンテッソーリは言っています。

そのため、手を使い、子どもが熱中できることを見つけられると良いですね。

工作や料理、粘土やブロックなども良いかと思います。

 

◉異年齢の友達と関わる

モンテッソーリの教室では、3歳から6歳までの子どもが縦割りで生活しています。

縦割りクラスのメリットは子どもがお世話をされたり、したりする経験ができます。

上の子が自然とモデルになります。

幼児期は論理的な説明を理解するのは難しいため大人が教えるより、年の近い子どもが教えて方が小さい子は理解できます。

地域でお兄さんや年下の子と遊ぶ機会を増やしてみてはいかがでしょう。

 

◉大人が良いお手本を示す

上でも紹介しましたが、幼児期は説明よりも、実際のモデルをそのまま吸収します。

そのため、大人が円滑なコミュニケーションのお手本を示すことが大切になります。

気持ちのよい挨拶やお礼、また仕草などを子どもに見せてあげられると良いですね。

ポイントとしては、無理強いしないこと!

吸収して学ぶのは子ども自身なので、繰り返し示し、できなくても責めたりしないようにしたいですね。

 

おわりに

モンテッソーリの教育環境では、集中を通して、その子が幸せになり自己完成を目指します。

そのような子たちが集まり、コミュニティーを作ります。

個人が尊重され、大切にされた子どもは、他者も大切にすることができます。

私たちが生きる大人の社会もそうでありたいですね。